ガラパゴス諸島旅行記⑨ ~クルーズ4日目:セイモウル・ノルテ島、サンタクルス島~

ガラパゴス諸島旅行記です。

クルーズ旅も4日目ともなると慣れたもので、船酔いもしなくなりました。

午前中は、セイモウル・ノルテ島へ上陸!空港のあるバルトラ島の近くの小さな島で、バード・アイランドのヘノベサ島のように、こちらにもグンカンドリやカツオドリなど、多くの鳥類が営巣しています。

 

セイモウル・ノルテ島では、一年中グンカンドリの求愛行動を見ることができます。(他の島では、時期によるようです。)この日も、オスのグンカンドリが真っ赤な喉を膨らませて、翼を広げたポーズをとっていました。

喉袋を木の枝などにひっかけて破裂させてしまわないか、心配になります。意外に皮が分厚いのかなぁ。

成鳥のかっこいい姿と違い、グンカンドリのヒナは真っ白のふわふわで、とてもかわいいです。腕が身体の下の方についています。

島はこのようにグンカンドリの巣でいっぱいで、至るところに白いヒナがボーっと突っ立っていました。笑

それにしても、周りに高い木もなく、むき出しの簡素な巣なので、雨が降った時に大丈夫なのか、日差しが強すぎないのか、気になります。一生懸命生きています。

 

海沿いに行くと、今度はアオアシカツオドリの群落へ。親子仲良く暮らしている様子を観察させてもらいました。写真のヒナは、毛皮こそまだフワフワなものの、親鳥とほぼ同じ大きさ。人間で言うと、高校生くらいなのかな。

少しわかりづらいですが、こちらが彼らの生息地。緑もあり、海も近く、とても気持ち良いところです。

鳥の家族たちの仲睦まじい雰囲気を感じながらも、実は、厳しい自然界の一面にも触れることがありました。元気なアオアシカツオドリの親子のすぐ隣で、息絶えたヒナが羽毛の塊のまま残っていたり、砂浜にはアシカの遺骸が転がっていたり。病気やケガだけでなく、気候変動の影響や海洋ごみなど、生きものを脅かす要因はさまざまです。少しでも多くの子たちが生き残れるよう、願うばかりです。

 

 

午後は、サンタクルス島へ。クルーズに乗る前に、数日間滞在した島へ戻ってきました。私たちが個人で滞在していたときにはまだ訪れていなかった、ハイランドと呼ばれる島内の高地へ。

ハイランドには、「エルチャト」というガラパゴスゾウガメ保護区があります。野生のゾウガメを見たいならここがマストです。

 

港からバスに乗り、ハイランドへ。エルチャト保護区のすぐそばには、小さな村があり、ガイドのダニエルが故郷だと言っていました。村の住民は農家が多いのか、そこかしこに牛がいます。

そして、牛に紛れて、草地の中にゾウガメもそこかしこに見えました!岩と見間違えます。牛と共存しているのがおもしろい光景です。(バスの中だったので、写真撮れず)

 

エルチャト保護区に到着し、長靴をみんなで借りました。ぬかるみが多いのとカメの糞などもあるので、靴がかなり汚れるそう。

準備を整えて、いざゾウガメの観察へ!

さっそく発見!!!!!!とてつもなく、デカい!!!!!!

探さなくとも、すぐそこらへんを何頭ものゾウガメが歩いたり食べたり、きままに過ごしています。ゾウガメの楽園にお邪魔したような非現実感に、大興奮。夢に見た光景が、現実になりました。

 

ここにいるのは野生のゾウガメですが、基本的には、もともとダーウィン研究所である程度まで大きく育てられた後に、野生環境に放たれた子たちだそうです。保護区は広いですが、網で囲ってあり、ゾウガメが域外に逃げ出さないようにしています。ただ、網の下に穴を掘って脱出してしまうカメも多いらしく、域外では車にはねられたり、密猟の被害に遭ったりといった深刻な問題も依然として多いのだとか。動物園や保護施設とは違い、広い草地でのびのびとすごせるのは野生環境ならではですが、その分、個体の管理はとても難しいですね。

保護区内は緑でいっぱい。ゾウガメたちが大量に必要とする食物も豊富です。

写真は野生のグアバ。ゆっくりで不器用に見えますが、何度もかぶりついていました。

グアバの他にも、野生のトマトや柑橘類などの果実、草やサボテンなどを食べるようです。

太古を知る賢者のような顔

ぬかるみ浴

エルチャト保護区ツアーは、2時間ほどの長い時間、ゆったりとゾウガメを眺めながら散歩をしました。道中、沼や洞窟を抜け、探検家の気分を味わえました。

洞窟の中にフクロウが!

 

念願の野生ゾウガメに出会えて、大満足の一日でした。観察させてくれたゾウガメたちと、彼らを育む環境、そしてその環境を維持管理してくれている現地の方々に、感謝です。

 

この日でとうとうクルーズも最後の夜。翌朝は希望者のみ早朝のアクティビティに参加ということで、もちろん全員希望します!と挙手しました。

クルーズ船の従業員の皆さんと、ガイドさんと、乗客たちで、最後の夜を祝いました。

ガラパゴス諸島旅行記⑧ ~クルーズ3日目:サンティアゴ島~

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

ハードな2日目を終え、3日目は新たな島、サンティアゴ島へ!

この日も、早朝のゆったりしたお散歩から始まります。朝の散歩って、なんだか贅沢だな~。

Espumilla Beachを散歩しました。

まず出会った生きものは、カニ

Ghost crab(スナガニ)というカニで、隠れるのが上手い!人間の足音がすると、すぐに砂に掘った穴の中に隠れてしまいます。

砂浜に穴が無数に空いていて、たくさんのスナガニが見え隠れしていました。

ガラパゴスの逃げない生きものたちに慣れてきたところですが、こうやって人から逃げる方が自然だよなぁと思い出します。

別種のカニ

フィンチ

鮮やかな黄色のフィンチが、マングローブの枝にとまっています。良い写真!

 

ブラウンペリカンは浅瀬で狩りをしています。翼が立派。

 

写真では分かりづらいですが、浅瀬にはエイが!5匹くらい見ることができました。

陸上にも水中にも、いろんな生きものがいます。

 

砂浜にいくつも見られるロープのような跡。ナチュラル・ガイドのダニエル氏によると、これは卵から孵ったウミガメの足跡だそうです!!

小さな足ヒレで、大海原へ向かい這っていった様子が想像できます。

そして、予想外の出会いも。

 

ウミガメ!!!!!!!

砂浜にウミガメが上がっていたのです。プエルト・アヨラの海で人生初のウミガメ(水面下の影)を観察して数日後。こんなにハッキリと、ウミガメの全体像を見ることができました。

わずかな間でしたが、陸に上がったウミガメを見て、大興奮でした。基本的には海で過ごすそうですが、産卵以外に、どんな時に陸に上がりたくなるのかなぁ。聞いてみたいものです。

 

こうして、生きものでいっぱいの早朝散歩を終え、またシュノーケルへ!

クルーズ船の旅が始まるまでは知らなかったのですが、毎日シュノーケルが1~1.5時間もあります。もはや体力勝負です。

この日はヘノベサ島のシュモクザメゾーンとは違い、海が比較的穏やかでした。シュモクザメゾーンを一度経験すれば、たいていの海が穏やかに感じるかもしれませんが笑

そして、海の中でもウミガメとすれ違うことができました!!!自分が第一発見者になることができ、妙に誇らしい気持ちに。一緒に泳ぎたかったですが、あまりのスピードに全くついてくことはできませんでした。

 

その他、小さなイカが2匹並んで水の中に浮いていたのが印象的でした。生きているイカは、透き通っていて、ひらひら動いて、エイリアンのような見た目でした。

-------

午後は、再びサンティアゴ島の散策。サンティアゴ島は広いので、上陸する場所によって風景も異なります。

午後に訪れたPuerto Egasは、「絶景」「楽園」という言葉以外に言い表しようのない、地球上とは思えないような美しいところでした。

 

おそろしいほど透明度の高い水。深いのに、底の岩礁までよく見えます。

天然のプールの中には、何匹ものガラパゴスオットセイガラパゴスアシカたちが優雅にくるくる泳いでいます。(オットセイとアシカの区別は難しい)

なんて楽しそうなんだろう。彼らにも悩みや苦労はあるはずですが、ここでは一切そんなものは感じられない、ゆったりとした時間が流れているようでした。

思わず飛び込んで一緒に水面に浮きたくなりました。(決して邪魔をしてはいけないので、私たちはプールの岩礁から静かに眺めているのみです。)

ガラパゴス諸島は美しい場所がたくさんありますが、私としては、こちらのサンティアゴ島Puerto Egasが一番のお気に入りになりました。

ダーウィンもこの場所を特に気に入ったらしく、何日もここで過ごしたそうです。私も、この場所にいつまででも留まりたい気持ちになりました。

ウミイグアナと海

波をものともしないウミイグアナ

ベニイワガニを狙う鳥たち

ガラパゴスノスリ(?)のつがい

生後2週間ほどのアシカの赤ちゃん

 

サンティアゴ島、最高!!!!!

 

(つづく)

ガラパゴス諸島旅行記⑦ ~クルーズ2日目:ヘノベサ島~

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

さて、クルーズ1日目の夜は、すさまじい睡眠環境でした。

比較的揺れにくいとされる双胴船にもかかわらず、波に合わせて大振りの揺れが止まりません。バルコニーの椅子なのか、どこかの積み荷なのか、何かが揺れに合わせて壁に当たり、規則的に大きな音を立てて、夜中に何度か目を覚ましました。

1日目のバルトロメ島から、2日目のヘノベサ島までの海域はいつも波が高いそうです。加えて、7月は比較的風も強いシーズン。ここまで揺れるとは思いませんでしたが、それも旅の思い出。

 

よく寝たような寝れなかったような一晩をすごし、目が覚めると、ヘノベサ島に着いていました。

上陸し、さわやかな早朝の散歩へ。サンタクルス島では、ガルアの季節らしい曇天が続きましたが、クルーズ船に乗ってからは良いお天気です。

バード・アイランドと呼ばれるヘノベサ島には、鳥類がいっぱいです。

アカメカモ

ビーチにはアカメカモメとフィンチがお出迎え。アカメカモメは、目の周りを縁取る赤と足の赤がそろっていておしゃれです。

フィンチ

 

同じオーシャン・スプレー号の乗客たちと、2時間ほど鳥の楽園の散策です。

ナチュラル・ガイドのダニエルさんは、次々に姿を現す鳥たちの説明を丁寧に行ってくれました。

ヘノベサ島はマングローブでいっぱいで、鳥たちが巣を作ったり暑さから身を守ったりできる絶好の場所なのだそうです。そして、海には餌となる魚がたくさん。島には川や湖が無く、基本的に鳥たちは餌となる魚や海水から水分を接種しているそうです。(アシカも同じく、魚や海水から水分を接種。もしかしたら、雨が降った時には雨水を飲むのかもしれませんが、雨が降らないシーズンでも生きていけるなんて、不思議な話です。)

 

1日目には、バルトロメ島で、足の青いアオアシカツオドリを観察できましたが、ヘノベサ島には、別の2種類のカツオドリが棲んでいました。

アカアシカツオドリ

アカアシカツオドリは、褐色または白色の身体に、水色の嘴、そして鮮やかな赤色の足をしています。

身体が白色の個体

アオアシカツオドリは顔も足も青色で揃っていますが、アカアシカツオドリの色合いは一風変わっています。

ナスカカツオドリ

ナスカカツオドリは、白色の身体、黄色い嘴、黒い足。3種のカツオドリの中では、一番普通の鳥らしい色合いかな。写真はつがいだそうで、2羽一緒に過ごしていました。

グンカンドリの親子

大人になると黒く大きく、闇の使いのような見た目になるグンカンドリは、子どもの頃はフワフワでとてもかわいい。大人のグンカンドリの繁殖期には、オスが喉の赤い袋を膨らませる姿が見られます。

グンカンドリのヒナ

巣からむきだしになっているヒナが、あちこちにいました。綿毛みたい。

黒いつぶらな瞳で、じっと見つめられましたが、怖がる様子はありません。何を考えているのかなぁ。

 

アカメカモメの親子

ガラパゴスササゴイ

ササゴイは古代を思わせるような姿かたち。岩場の隙間を器用に移動していました。

 

散歩道の水辺

鳥たちの暮らしを眺めながら、散歩道は岩場へ続きます。満潮時は海水で浸る、海にほど近いところなので、岩の抉れた部分には、海水が溜まっていました。

上の写真のように、透き通った水の中に、無数の魚たちが見えました。水中カメラではなく、普通に水上から撮っているのに、はっきりくっきりと魚が見えます。あまりの透明度に驚きました。

魚の水辺の近くには、アシカの子どもが休んでいました。子どもだからか?皮がダルダル。食べ物には困らなさそう。

 

散歩の終わりにビーチに戻ってきて、アシカたちの戯れを眺めました。

 

大満足の早朝散歩は終了。お次は、シュノーケルです!!

-------

クルーズ1日目もバルトロメ島でシュノーケルをしましたが、2日目のヘノベサ島のDarwin Bayでも、シュノーケル。午前中からヘビーなプランになっています。

しかも、Darwin Bayには、頭部がハンマーのような平たい形をしたシュモクザメ(Hammer Head Shark)が見られるのだとか!!!

 

ダイビングの方がシュモクザメとの遭遇確率が高いようですが、シュノーケルでも見られると聞き、うれしいような少し怖いような気持ちで海へ入ります。

パンガ(小型ボート)から海へ。1日目と比べ、水が冷たく、底が深く、波がとてつもなく高い!!!

あまりに荒波なので、子どもたちや、大人でも何名かはすぐにパンガの上に避難していました。波で身体が勝手に回転するくらい荒かい!!!

 

私もシュノーケル初心者でしたが、持ち前の泳力?と、自分は魚やアシカなのだというイメージを持つことで、なんとかついていくことができました。

養分が豊富なのか、1日目と違って全然透明感の無い海で、眼前も眼下も曇ってよく見えません。そのうえ、気づけばとても小さなクラゲっぽい生きものがそこかしこにいて、シュノーケルマスクで隠れていない口回りがチクチクしてきました。しかし、波が高くて激しいので、避けることもままならない!

訳も分からないまま、皆の後ろを無心で泳ぎ続けていると、ナチュラル・ガイドのダニエル氏が「シュモクザメがいるぞーーー!!!」と合図を出してくれました。

しかし、視界が悪くて、どこにいるかよくわからない!

なんだこの過酷な訓練!?と混乱しつつも、周囲を観察し続けていると…

ⓒHappy Gringo

いました!!!!!

※画像は、Happy Gringoさんの画像です。

 

写真のような大群ではなく、1~2匹がスルーっと通り過ぎていく姿でしたが、確かに肉眼で、しかも結構近くで、シュモクザメを見ることができました。

体長は私よりも大きかったと思われます。

感動と言うよりも、険しい海の中を泳いで、なんとか一目でも見れて良かった…というホッとした気持ちでした。やっと帰れる~という。笑

 

波が高く、海からパンガに上がるのすら一苦労でした。パンガの手すりを力強くつかんでいないと、波の衝撃で手が離れてしまうくらい。

夫はこれまで船酔いや車酔いにほとんどなったことがない頑健な人なのですが、珍しく、パンガに上がってからひどい船酔い(波酔い)に遭っていました。

なんだかシュモクザメの感想と言うよりも、海が険しかったという感想に終始してしまいましたが、すごくすごく険しかった。笑

溺れなくて本当に良かったです…!

そして、クルーズ船に上がった後の温かいバスタオルと温かく甘いココアに、蘇ったような心地でした。スタッフの皆さんに感謝。

 

ランチには、エクアドル名物料理のセビーチェ(画像左)。

プエルト・アヨラの町で食べたものよりも、美味しかったです。エビ、タコ、白身魚などの海鮮がたっぷり使われて、ハーブやトマト、レモン汁、ミルクなどで和えてあります。

-------

お昼の後は、ヘノベサ島のPhilip Stepsという岩場伝いに、海の上でカヤックをしました。

青空を鳥たちが飛び交い、岩場にはアシカが見られ、最高のカヤック日和!シュノーケルをしたDarwin Bayと異なり、Philip Stepsは波も比較的穏やかで、カヤックから落ちる危険はありませんでした。

地の果てまで来たような、非日常を感じるカヤック散歩となりました。

 

その後は再びヘノベサ島に上陸し、再び鳥たちの観察会。

今度はフクロウもいました!

大空を舞う鳥の大群。グンカンドリやカツオドリ、フィンチ、教えてもらったけれど名前を忘れた鳥たち。何百何千羽もいます。

そして、大型の鳥が小型の鳥を捕食している姿も見ました。フクロウも、猟には失敗していましたが、小型の鳥に飛びかかろうとしていました。

生きものが生きものを食べて生きている、という、至極当たり前のことですが、容赦ない自然界の様子を目の当たりにし、どう感じたのか。適切な言葉が見つかりませんでしたが、目の前の光景に圧倒されていました。

 

(つづく)

ガラパゴス諸島旅行記⑥ ~クルーズ1日目:バルトロメ島~

 

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

サンタクルス島プエルトアヨラでの3泊4日のまったり旅を終え、この日から4泊5日のクルーズ旅へ!!!

 

ガラパゴスのさまざまな島々を巡ることが叶うクルーズ旅。しかし、4泊5日あっても全部の島に行くことはできません。それだけ、島がたくさんあって、一つ一つの島が意外に離れているということです。

クルーズでどんなことをするのか。旅行会社から事前の情報共有がほとんどなかったのと、ウェブサイトに旅程がのっていなかったため、詳細がまるでわからないまま当日を迎えました。

一度くらいは海に入るだろうと見込んで、度入りのシュノーケルマスクと日焼け止めだけは持参しました。

-----

前日に現地のクリーニング屋さんに預けてきた服を回収に行くところから、朝が始まりました。

長旅なので、コインランドリーで洗濯をしようとしたのですが、なぜかコインランドリーがどこにも見当たらない!代わりに、クリーニング屋さんはあったので、利用することにしたのです。

 

ここで、またしてもアクシデント発生。

クリーニング屋に向かおうとホテルの玄関を出ると、なぜかクルーズのお迎えの車が目の前に止まっていて、「さぁ行くぞ!」という空気。ガラパゴスに上陸した初日に空港~ホテルまで案内してくれた、あの青シャツの案内人さんが待ち構えていたのです。

「予定より1時間以上早いんですが!?」と伝えると、「遅れたらまずいから」と。

夫に走ってクリーニング屋に行ってきてもらい、私は荷造りをし、大慌てで出発となりました。

 

集合場所は、バルトラ空港です。空港で降りて、その足でクルーズ旅に向かう人が多いからです。

集合時刻よりだいぶ早めに空港に到着してしまいました。(1時間も早めに出発したので当然です笑)青シャツの案内人氏とは別れ、空港で落ち合うナチュラル・ガイドを待ちます。

結局、かなり長いこと待つことになったのですが笑、お陰様で良い出会いがあったので良しとします!

大きなリクイグアナを空港付近で発見しました!!!

3日前に空港に着いた時には、バスの中から遠目にしか見えなかったので、近くで見れて興奮!

ウミイグアナはプエルトアヨラの街中にすらたくさんいましたが、リクイグアナは生息する島や場所がもっと限られているようです。

岩のように動かず、じーっとしています。サボテンが似合う風貌。

-----

しばらくしてナチュラル・ガイドのダニエルさんと合流。赤いキャップが目印の、朗らかで明るい、気さくな方です。

他にも何人かクルーズ引率のためのナチュラル・ガイドがいて、それぞれクルーズ船の名前が書かれた看板を捧げ持っていました。

さらに数十分待って、飛行機から降りてきたお客さんたちと合流。私たちの他に、この日同じクルーズに参加するのは、イギリスから来た4人家族が1組と、カリフォルニアから来た1名でした。さらに、7泊8日ツアーに参加のため前乗りしている2組が、既に船内で待機しているということでした。

私たちを入れて計11人、旅の仲間が全員そろったところで、いざ、オーシャン・スプレー号へ!!

オーシャン・スプレー号

オーシャン・スプレー号は、比較的揺れにくい双胴船。お客は最大16人乗りと小型ですが、船内はとてもラグジュアリーでした。

 

船内のロビー的な空間

船内のロビー的な空間 その2

船のスタッフの皆さんに案内され、各自部屋へ。私たちの部屋はGalapagos Sharkという名前でした。

すべての部屋がオーシャンフロント

各部屋にバルコニーがついていて、海を直接眺めることができます。それだけでも楽しい!

部屋で荷物を広げた後は、船内の昼食ブッフェをいただきました。

まぁまぁのお味

食後は皆でロビーに集まって、クルーズ旅の旅程や注意点、ルールの説明がありました。30分くらいの長い間ノンストップで説明をしてもらったのですが、一番驚いたのは、トイレにトイレットペーパーを流してはいけないということ!

使用したトイレットペーパーは、トイレ横の箱の中に捨てるというルールです。ペーパーを流すと、配管が詰まったり海の汚染へとつながるということだと理解しました。ここでも環境保全が徹底されているなぁと実感。

2つ目の注意点は、島に上陸するときは、ドライ・ランディング(スニーカーで上陸できる)とウェット・ランディング(水に濡れながら上陸)の2種類あるということ。ビーチサンダルは脱げやすいので、スポーツサンダルの方が適しています。持ってきてよかった持ち物のひとつです。

 

そして、1日目の最初のアクティビティは、バルトロメ島!!!

まずはクルーズ船から、パンガと呼ばれる小型ボートでバルトロメ島に近づきます。

島には、クルーズ船から毎回パンガに乗り換えて移動します

右手のとがった岩が、Pinnacle Rock

バルトロメ島はとても不思議な形をしています。

島に近づく間、「きっとここにはペンギンがいると思うよ」というナチュラル・ガイドの説明に、興奮と不安が一度にやってきます。生きものは、必ずいつもそこにいるなんてことはないので、ウォッチスポットとはいえ、「今はそこにいるのかな…?」とたびたび不安になってしまいます。会えたらすごくラッキー、くらいの気持ちでいた方が、会えなかったときのショックが減りますね。

 

すると……

 

 

いた!!!!!!!!!!

 

ガラパゴスペンギン

岩場の上に、いた!!!!!!!!!ガラパゴスペンギン!!!!!!!!!

生まれて初めて野生のペンギンを見ました。

日光浴をしているのか、ボケっとしています。小型でかわいいフォルムですが、意外に鋭い目をしています。さすが険しい野生に生きるものの目。

パンガでかなり近づかせてもらったのですが、全然逃げる素振りがありません。

お陰様で、本当にすぐ目の前でペンギンを観察させてもらえて、大喜び。もうこの瞬間から、クルーズ船に乗ってよかったと思いました。

(※目の前で見れるとは言え、静かに、刺激しないように観察することが最重要です)

少し先の岩場には、さらに3匹のガラパゴスペンギンが!

パンガでさらに島沿いに進むと……

アオアシカツオドリ

ガラパゴスの人気者、アオアシカツオドリと初対面!!!!!

1羽だけで岩場の高いところから海を見渡していました。魚を狙っているのか、一休みしているのか。

その名のとおり、青色の足をしています。ナチュラル・ガイドによると、主食の青魚の成分によって足が青くなるのだそうで、青色が濃ければ濃いほど、良いハンターの証だそうです。ここで見たアオアシカツオドリは、中程度の青色でした。

ペンギンとアオアシカツオドリのほか、大海で水泳中のウミイグアナや、ベニイワガニも見ることができました。

 

一通りパンガからの生きもの観察を終え、次はシュノーケル!!!1日目から盛りだくさんです。

シュノーケル時の写真は撮っていないので感想ですが、潜った瞬間から、魚の種類と数の多さに圧倒されました。サンゴ礁ではないのですが、岩礁についた藻類をつつく魚たちで、目の前が埋め尽くされました。黄色や青色のカラフルな魚から、美味しそうな青魚まで、多種多様です。小さいのも大きいのもいます。

先程岩場で見たペンギンに、海の中から近づいて見ることもできました。海の中には、ペンギンの羽毛がいっぱい浮いていました。今回見れたのは4匹でしたが、本当はもっとたくさん住んでいるのかも。

そして、ナチュラル・ガイドの「ついておいで!」の声に従い、海の中の岩のくぼみをのぞき込むと、体長1.5メートルくらいのサメが休んでいました!!!

人を襲う種類のサメではないので安全のはず!海の中は精神の安定が何より大事なので、「自分はイルカなんだ、自分はアシカなんだ」と言い聞かせ、平常心でスイスイ泳ぎました。サメには動じないぞという気持ち、大事。

このほかにも、ナチュラル・ガイドがエビやタコなど、見つかりにくい生きものをたくさん発見しては紹介してくれました。さすが、職業ナチュラル・ガイド。

 

1時間程シュノーケルをして、大満足。少人数クルーズなので、こういうアクティビティ中もゆったりじっくり、自由にまわれて快適です。

この後、最後のアクティビティが、バルトロメ島上陸です。(上陸前にアクティビティが激しすぎて、いつ上陸するんだいと思っておりました。笑)

 

上陸しようとすると、船着き場を、3匹のアシカたちがブロックしていました!!!

私たちの船に起こされて、ご機嫌斜めな様子…すみません、、、と縮こまりながら、横を通り抜けますが、彼らは何やら不機嫌そうに呻いていました。笑

これだけでも、地球の他の場所では体験できないことではないでしょうか。個人的には、アシカの寝床をすりぬけるのがとても楽しかったです。

お休み中のアシカをすり抜け、船着き場から海の中を見下ろすと、そこにもアシカが!

驚くほど透明な水の中を、クルクルと回転しながら泳いでいます。魚を捕るわけでもなく、ただ水浴びをしている様子。いつまででも見ていられる、優雅な泳ぎ姿です。

 

30分程かけて緩やかな斜面をのぼり、山頂へ。

夕暮れに沈むバルトロメ島の不思議な地形を見下ろします。こちらの写真の風景は、ガラパゴス諸島の代表的なイメージとして使われるそうです。

地球の歴史――今ある島や土地の形がどうやってできたのだろうと、途方もない思いを巡らせました。

 

(つづく)

ガラパゴス諸島旅行記⑤ ~サンタクルス島3日目~

 

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

サンタクルス島3日目。

ガラパゴスに来て、ここまでひとつの島にのんびり滞在する旅のスタイルは珍しいかもしれません。ほとんどの人は、サンタクルス島から他の島に行ける1Dayツアーに参加しているようです。

私は旅先でも朝からゆっくり起きて、ひとつの町に何日か滞在するのが好きなので、今回もサンタクルス島で存分にまったりしていました。笑

Doing nothing ――何もしないをする。くまのプーさんの有名な言葉にもありますが、日々仕事ややることに追われる現代人にとっては、ぼーっとすることほどぜいたくなことは無いかもしれません。

ところかまわずDoing Nothingのアシカさん。

 

この日は、ダーウィン研究所へ!ホテルから徒歩20分ほどの距離にあります。

そして、またしても魚市場の前を通過。サンタクルス島に着いてから、毎日魚市場に通っています笑

本当に見飽きない光景なのです。

お気に入りの一枚

魚市場の方たちは、前後左右から、アシカとペリカンたちからのプレッシャーを受けて大変そうです。お金を払わない厄介なお客さんたちですが、とてもかわいいです。

-----

ガラパゴス諸島と言えば、「進化論」のダーウィンを真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。私も今回の旅行前に、ダーウィンの名著種の起源を読んで予習してきました。

ダーウィンは、今から200年近く前、1835年にガラパゴス諸島に上陸しました。ウミイグアナとリクイグアナの違い、島々によって微妙に異なるゾウガメや小型の鳥類(フィンチ等)の特徴を観察することで、一つ一つの種が環境に応じて適応変化していく、ひいては種の分化につながっていく「自然選択説自然淘汰説)」を確立する手がかりを得ました。

実際に「種の起源」を読むと、ガラパゴス諸島から着想を得たというよりは、ガラパゴス諸島を含め多種多様な動植物の観察や研究を通じ、何十年もの長い時間をかけて自然選択説を確かなものとしていった、という経緯のようです。家畜やハトなどの身近な生きものからも多くのヒントを得ていたようですが、中でもガラパゴス諸島の、島々の環境によって微妙に異なる種の多様さには、ダーウィンも度肝を抜かれたのではないかと。200年前の時代に思いを巡らせてしまいます。

今でこそ、「ヒトはサルの親戚、ヒトも動物の一種」というのは誰もが知っていることですが、当時の西洋では「人間は神が創った特別な生きもの」というキリスト教的思想が当たり前でした。

そのような中、進化論を発表するためには、ち密な研究だけでなく、関係者への根回しなど地道な努力も背景にあったようです。

ヒトとは何か。文字どおり人生をかけて「現代の当たり前」を打ち立てたダーウィンが、ここに生きる生きものたちを見て、どんなことに感動して、何を思ったんだろう・・・という気持ちでガラパゴスを巡ってみると、なんだか壮大な気分になります。笑

-----

前置きが長くなってしまいました。

ダーウィン研究所は、ちょっと入り口が分かりづらいのですが、入り口付近にチャールズ・ダーウィン銅像が目印で建っていました。(写真撮り忘れ)

銅像を通り過ぎ、小道を進むと、ダーウィン研究所の案内スタッフの方たちが立っていました。スタッフの方たちによると、「この先は2本の道に分かれていて、ひとつはダーウィン研究所への近道。もうひとつは、遠回りだけど、ナチュラル・ガイドの説明を受けながら自然を楽しめる道になっています。どちらを選んでもOK。」とのこと。

まったり旅なので、遠回りを選びました。

他に2~3組の観光客とナチュラル・ガイド1名、合計10人程の組となって、緑の茂る道を歩いていきます。

島ごとに特徴の異なるサボテンの話を聞いたり、周囲に生える植物の説明をしてもらったり。

一番面白かったのは、小さな小さなトマトを食べたこと!

これ、野生のトマトです。小指の爪くらいの大きさしかありません!

その辺の茂みに実っていたものを、自分で取って食べさせてもらうことができました。

そういえば、トマトの原産地ってアンデス山地ですから、海を隔てているとは言え、野生のトマトがガラパゴスにあることも不思議ではないかも。

少し酸っぱめですが、とても美味しかったです!ゾウガメも野生のトマトが好きらしいです。

 

さて、遠回りを経てダーウィン研究所に着くと、さっそくゾウガメがたくさん!!!

小さいカメたちが一緒に食べている姿がかわいい。

動物園みたいに、スペースが区切られています。ゾウガメの年齢ごとに固めていて、このブースは1歳以下、このブースは5歳以下、みたいな感じで分かれているのだそうです。

そして、研究所である程度大きく育ったカメたちは、島にある保護区に運ばれ、野生の環境で生きていきます。卵や子ガメのまま自然界に放つと、外来種のネズミに食べられてしまうのだと、ナチュラル・ガイドさんは深刻な表情で語っていました。

大きいカメは一人で食べています。

しかし、どのカメもみんな、一心不乱に同じ植物を食べています。茎まで食べてえらい。

ナチュラル・ガイドさんに「この植物は何ですか?」と聞くと、「Elephant ear plant」だと教えてもらいました。後で意味を調べてみると、サトイモタロイモ類の葉っぱだそうです。

 

屋外のゾウガメたちをひとしきり観察させてもらった後は、屋内へ。何の説明もなく密室に入ると、そこには、かの有名なロンサム・ジョージが!!!

ピンタゾウガメのロンサム・ジョージ(特別なケージで保管されています)

ジョージは、ピンタゾウガメの最後の一匹。その孤独な状況から、独りぼっちのジョージ、ロンサム・ジョージと呼ばれました。

2012年、推定100歳以上生きたジョージはこの世を去り、ピンタゾウガメは地球から絶滅してしまいました。

ガラパゴスゾウガメは、もともと15の亜種が存在したとされていますが、ピンタゾウガメを含む4亜種が絶滅し、今では11亜種が残っているそうです。残っている11亜種も、すべて絶滅危惧種に指定されています。

人間がガラパゴス諸島に上陸し、ゾウガメを食料にしたり、甲羅を加工して使ったり、不適切にペットとして扱ったりするうちに、どんどんゾウガメは個体数を減らしてしまいました。

現在では、野生生物保護の考えが広まり、ゾウガメも保護区という環境でのびのびと生きていけるようになりましたが、未だに密猟の危険に晒されています。

絶滅してしまった種の最後の一匹を眺め、「人間は罪深いなぁ…」と深々考えます。

なんだかしんみりしてしまいましたが、現在、ダーウィン研究所をはじめ、ゾウガメが大切に保護されているのは本当にすばらしいことです!!様々な人の努力によって保護活動が成り立っているのだと思います。

ぜひ寄付したかったのですが、寄付箱のようなものは不思議と見当たらず、この場では寄付できませんでした。

www.darwinfoundation.org

後で調べたところ、スタッフの方にお声がけすれば寄付できたようです!また、口座振り込みも可能ですが、日本からだとちょっとハードル高いですね。

 

ダーウィン肖像画

研究所の展示エリアの雰囲気は、こんな感じでした。ガラパゴス諸島の動植物や、その保全活動についてパネルがならび、標本や模型が展示されています。お土産もちょこっとだけ売っていました。

 

-----

ダーウィン研究所を後にして、帰り道途中にあったチョコレート屋さんへ行きました。その場でチョコレートが作られていて、アイスクリームも屋外で売っていました。アイスクリーム、買おうかと思ったのですが、なぜかチョコレート味は売っていなかったので、やめておきました笑

カメの形のチョコレートをお土産に一つ買って帰りました。

エクアドルはチョコレートが有名です。オーガニック・チョコレートが結構な高額で売っていますが、甘さ控えめで美味しいです!

お店のFacebookを見つけたので、リンクを貼っておきます。

https://www.facebook.com/chocolapagos/

 

ランチはスペイン料理屋にて。パエリヤと、タコとジャガイモのサラダをいただきました。パエリヤは水分水分多めでしたが、サラダは美味しい!ボリューム満点です。

夕方はお土産屋をぶらぶらしながらジェラートを食べました。ヘーゼルナッツ入りで美味しい。

晩ごはんは三度目の屋台!毎日通っています笑

シーフードパスタと、エクアドル名物のセビーチェ。セビーチェは、エビ、イカ、タコなどの海鮮を、レモン汁やハーブで和えたマリネです。初めて食べました。結構すっぱく、もう少し酸味控えでも良いかな?魚介類がとても贅沢に使われているのは高評価。

 

以上、サンタクルス島の最終日でした!

 

(つづく)

ガラパゴス諸島旅行記④ ~サンタクルス島2日目~

 

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

サンタクルス島2日目。ホテルの朝食から一日が始まります。

おしゃれな朝食会場。ルーフトップにあります。

コロッケのようなじゃがいもの揚げ物が美味しかったです。
瓶詰はエクアドル名物のデザート、お米のプディング。シナモンや砂糖で甘く味付けされていて、日本人の私にはちょっと難しい味。

ブッフェスタイルで、エクアドル名物料理も含め、チーズやベーコン、フルーツなど様々なバリエーション。

卵はスクランブルエッグ、オムレツ、ゆで卵などリクエストに応じ調理してもらえました。

米国のホテルでは素っ気なかった朝食ブッフェでしたが、エクアドルに来てから、美味しくて朝から幸せなひと時。

特に、フレッシュフルーツがあるのはうれしいです。

できたてのオムレツ。ケチャップでホテル名「Ikala」の文字。

-----

本日は、Tortuga Bayというビーチへ向かいます。スペイン語で「カメのビーチ」という名前のとおり、Torutuga Bayには古くからウミガメが生息しているそうです。

ホテルからビーチまで、約3kmの道のりを歩いてゆきます。

何もない道をゆく。

ガルアらしい天気で曇り気味なのに暑い!さすが赤道直下は違います。日差しも朝から強いです。

ビーチへ向かう途中、小さな関所を通過し、氏名と宿泊先情報を記載しました。訪問者管理を行っているようです。

トカゲを発見

小鳥を発見

道中、名前のわからない生きものを何匹も発見。長めの道のりですが飽きません。

-----

Tortuga Bay

Tortuga Bayに到着。海の色が青くきれいですが、波が高く、とても泳げそうにはありません。

と言うのも、Tortuga Bayの入り口は遊泳禁止ゾーン。砂浜をさらに数百メートル歩いて、遊泳可能なゾーンまで進みます。

砂浜で出会ったのが――

大量のウミイグアナ!!!!!

プエルトアヨラの街中で見たウミイグアナの何倍も大きい個体がたくさん。尻尾も含めると、大きいものは1メートル近くあります。

ゴジラのような姿で、質感はゴツゴツしていそう。じーっと仲間同士寄せ集まっています。

ウミイグアナは有名なガラパゴス固有種。もともとリクにいたリクイグアナが食べ物(海の中の海藻類)を求めて海に潜るようになり、今の形に進化していきました。

足場をがっちりつかみやすいように、かぎ爪も発達しています。黒い身体は、太陽の熱を集めて体温を上げるためだとか。海に潜ったあと、体温が下がってしまうのを補っているそうです。

進化って、奥深い。

 

ウミイグアナの群れをしばらく観察していると、面白い光景を目にすることができました。

海に向かうウミイグアナ

一匹のウミイグアナが、海に向かってどんどん進んでいくのです!

水の中に!

あっという間に、海の向こうへ行ってしまいました!!!

波が強いのに、ヒレもないのに、すいすいと泳いでいきます。押し返されながらも、長い尾でバランスを取りながら波をいなしていく姿は、力強かったです。

目で追っていましたが、あまりにも遠くに行ってしまい、見えなくなりました。

藻場でご飯を食べているのでしょうか。

しばらくして戻ってきたウミイグアナ

きちんと同じ場所、仲間のもとへ戻ってくるので、大したもんです。

 

まだ幼さの残る、かわいらしいアシカにも遭遇!!!

ブラウンペリカンの狩りの様子も見ることができました。

この近くの遊泳エリアで水遊びもできました。

はりきってシュノーケルギアを持って行ったものの、意外に人が多くて水が砂で濁ってしまっていたため、シュノーケルはできませんでした。しかし、エイのような謎の大きな魚影を近くに発見し、大はしゃぎ!小魚も見ることができました。

遊泳エリアにはマングローブが茂っていたのですが、マングローブの枝に荷物をかけるのはご法度。エリアの管理人さんが厳しく注意喚起しており、自然に影響を与える行動をとる観光客には、容赦なくホイッスルが鳴らされます。

 

水遊びからの帰り道、海を眺めていると、黒い小さな何かが水面から顔を出しているような???

写真だと何一つ写らなかったのですが、観察を続けると、はっきりわかりました。

ウミガメ!!!!!

ウミガメが遠くを泳いで、息継ぎしているのでした。

水面から出た鼻先だけでなく、水面下に隠れている大きな身体も見えました。

ウミガメ!!!!!

ここでも大声を上げてはしゃいでしまいました。人生で初めて、野生のウミガメを見ることができました。

-----

さて、海から街中に戻り、ランチ。

海外旅行あるあるで、日本食が恋しくなり、お寿司屋さんに行きました。

せっかくなので、冒険してバナナがトッピングされたカリフォルニアロールと、好物のエビの握りを注文。

バナナが甘くてお寿司に合わず、分離していただいたら、美味しかったです。笑

醤油以外にも、甘いマンゴーソース、照り焼きソースもあったので、エクアドル人は甘いお寿司が好きなのかもしれません。

 

ここで一つアクシデントが起きました。食べている最中に突然の片頭痛

疲れたり、お腹が空きすぎたりすると、なるんですよね~

幸いロキソニンを持っていたので何とかなりましたが、旅の疲れが早くも出たのか、ヘロヘロに。しばらくお店の中で休ませてもらいました。

-----

仮眠するため、お寿司屋さんからホテルへ戻ることに。

帰り道途中の魚市場で、今日もアシカくんたちを発見!市場自体は営業していなかったものの、アシカたちは健在でした。彼らに元気をもらい、体調不良も少し回復しました。

それにしても、とんでもないところで寝ています。笑

平らなコンクリートが、冷たくて気持ち良いのかもしれません。なぜそこに寝るのか、言葉が通じればぜひ感想を聞いてみたいものです。

-----

この日の夕方は、大人しくホテルで休養することに。

夜にはすっかり元気になり、昨晩に続き屋台で晩ご飯をいただきました。昨晩とは違うお店ですが、メニューは結構似ています。

 

大きなエビの蒸し焼きをココナッツソースでいただきました。

身がほわほわで絶品!セミエビというエビだそうです。付け合わせがご飯なのもうれしい。エクアドルでも、お米をたくさん食べるんですね~。

 

食べて遊んでゆったり休んでの、サンタクルス島2日目でした。

 

(つづく)

ガラパゴス諸島旅行記③ ~サンタクルス島1日目~

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

空港のあるバルトラ島から、ガラパゴスの玄関的な島であるサンタクルス島までの移動は、小さな船でした。

シャトルバスに積んだスーツケースを、どんどん小船の屋根に乗せて行ってもらいました。

投げ積まれていく荷物、大丈夫かなぁ?と少々心配しつつも、目の前の海に気分上々です。

青緑色の水面

海の底は見えません。結構深いのだと思われます。

そして、夫が「カニだ!」と声を上げるので、見てみると、船着き場のコンクリート壁面に黒い小さなカニを発見しました。今のところ、リクイグアナとカニを発見!幸先の良いスタートです。

-----

10分程度船に揺られ、いよいよガラパゴス諸島の玄関、サンタクルス島に到着!

サンタクルス島の船着き場から、案内人の青シャツの彼の運転により、島一番の市街地であるプエルトアヨラに向かいます。なんと40分間。島に到着してからも、結構な長旅です。

現地の方と思われる女性も一人同乗し、途中で降りていかれました。

当然なのですが、皆スペイン語なので話の内容がわかりません。しかし、笑顔がすてきで朗らかそうな方ばかりでした。

-----

船着き場~プエルトアヨラまでの道のりの景色は、真っ直ぐの一本道と、その周りの草木、森、時々民家。

褐色で平坦なバルトラ島と異なり、サンタクルス島は緑が生い茂っています。空は、ガラパゴス諸島の冬にあたる「ガルア(涼しく乾燥した季節)」の特徴らしく、低い雲に覆われています。

ハイランドの斜面には畜産業用の牛がたくさんいる場所も。「このへんに、ガラパゴスゾウガメがいるんだよ」と案内人さんに教えてもらいましたが、ゾウガメではなく牛がたくさん。

しかし、緑豊かな丘には、本当にゾウガメが潜んでいそうな雰囲気です。

-----

そして、目を凝らしていること数十分。

いた!!!!!!!!

ガラパゴスゾウガメが!!!!!!!!

別日に保護区にて撮影したゾウガメの写真。

車に乗っていたので写真が撮れなかったのですが、プエルトアヨラにほど近い場所で、道路のすぐわきに、3匹もゾウガメを見つけました!!!!!!

一生に一度は見たかった、野生のゾウガメ――。

突然願いが叶い、大興奮です。

案内人さんも「Tortuga!」(スペイン語でカメ!)と言って、車のスピードを緩めてくれました。

50~60㎝程度の比較的小柄な、若いゾウガメでしたが、初めての野生のゾウガメに対し、感動がすさまじい。大声を上げて喜びました。

 

後から知ったのですが、保護区の柵から抜け出してしまったゾウガメが、道路や市街地まで来てしまうことも珍しくないそうです。保護区の外に出ると、車にひかれたり、密猟者に捕まったり、という危険にさらされてしまうそうです。

現地のレンジャーが一生懸命密猟者を捕まえています。犯罪からゾウガメを守る――本当に、勇気ある素晴らしい取組です。

どうかこんな問題が一つもなくなりますように。無力ですが、願うことしかできません。

-----

午後になり、プエルトアヨラに到着しました!早朝に出発して、やっとです。(やっと、ばかり言っています。)

プエルトアヨラはガラパゴス最大の街で、宿泊施設やレストラン、お土産屋さんがたくさんあります。

ガラパゴス諸島の巡り方は、基本的に、「クルーズ船で島々を巡る」または「プエルトアヨラ等の都市に泊まりつつ、別の島への日帰り旅を組み込む」のどちらかのスタイルになります。

私たちは、様々な島を巡りたいという気持ちが一番でしたが、お土産屋さんや魚市場もゆっくり見たいという気持ちも同じくらいあり、旅行会社にお願いして二つのスタイルを組み合わせてもらいました。前半の3泊はプエルトアヨラのホテル、後半の4泊はクルーズ船の中という構成になりました。

結果的に、この構成にしてとても良かったと思っています。

 

早速ホテルにチェックインし、一息つきます。

ホテル外観。こちらに3泊しました。

旅行会社が予約してくれた、Ikalaというホテルに到着。

プエルトアヨラ中心街にあります。立地が良く、きれいで、ホテルのフロントさんもとても親切でした。私たちは利用しませんでしたが、無料で自転車も貸し出してくれます。

ホテルの部屋。

小さいアリが室内にいますが、それくらいはご愛敬ということで。

失礼かもしれませんが、想像していたよりもすごく豪華で快適です。

 

このままホテルで休みたい気もしましたが、せっかくなので、間髪入れずに街へ繰り出すことに。

プエルトアヨラの中心街

コロナで観光客はまだ70-80%まで回復したくらい、ということでした。それにしても、一般的な観光地と比べてかなり人は少なく、素朴な街並みです。

マイアミやロサンゼルスのような海辺の観光地とは全く違う、素朴で人通りも少ない街で、ゆったりと時が流れているようでした。

 

お腹がペコペコだったので、まずは遅めのお昼ご飯に向かいます。

食べることは好きですが、今回の旅ではなぜか下調べをしてこず、ガラパゴスのグルメで何が有名なのか知らないまま、適当に海辺の雰囲気が良さそうなレストランに入りました。

そこで発見したのが、お料理の前にウミイグアナ!!!!!

ウミイグアナ

オーシャンビューの席から階段を下りた先が、海と接する岩場になっており、そこにウミイグアナがいました!岩と同化している!

ガラパゴスベニイワガニ

そしてさらに、ガラパゴスベニイワガニ!!!!!

ゆでられていないのに、鮮やかな赤色をしたカニ。岩場に群れになってたくさんいました。もうお料理どころではありません。

 

ガラパゴスにて最初の一皿。

夫の一皿。

シナモンアイスティー。甘くてあまり飲めなかった!

私は、エビの練りものの揚げものが乗ったクリームパスタ。

夫は、シーフードライスというガラパゴス名物料理。エビ、イカ、貝、タコ、野菜等とお米が、魚介の出汁で煮焼きされています。チャーハンとリゾットの中間のような感じ。

どちらもとーっても美味しく、感激でした。今回の旅は、生きものばかりに注目していて、あまり食事には期待していなかったために、良い意味でおどろきでした。

「もしかして、ガラパゴス諸島は食べ物もおいしいのかも!?」と盛り上がりました。

-----

さて、美味しいお料理を楽しんだ後は、楽しみにしていた魚市場です。

プエルトアヨラの街の中心に、魚市場があるのですが、なんとここには人のお客さんだけでなく、野生動物のお客さんも集まると噂なのです。

「だーれもいなかったらどうしよう?」という不安を抱えながら、魚市場へ。

そこには――。

魚市場に集まるお客さん方

ブラウンペリカンがたくさん!!

魚の切れ端を虎視眈々と狙っています。人より野生動物の方が多い市場。こんなところは他にあるのでしょうか。

足元にガラパゴスアシカ

上手く撮れていませんが、なんとガラパゴスアシカも!!!!!!!こちらも野生です。あまりの近さにびっくり。

魚を手際よく裁く女性の足元にぴったりくっついています。すごく作業がしづらそうでした笑

この日は、主にマグロを裁いているようで、剥いだマグロの皮はアシカに、小さな切れ端はペリカンに、おこぼれが行きわたっていました。

アシカもペリカンも、自分で漁をすると、マグロなんてなかなか食べられないだろうからなぁ~。

魚市場の方々にとっても、残飯処理をしてもらえて良いのかもしれません。笑

魚を狙う動物たちのこの光景があまりにも楽しく、いつまでも見ていられました。

イワカモメも集まっていました。こちらもガラパゴスの固有種。

-----

魚市場の後は、たくさんのお土産屋さんを巡り、早速Tシャツやトートバッグなどをゲット。小さなお土産屋さんがメインストリートに並んでいて、かわいい小物がたくさん売っていました。

 

そうこうしているうちに晩ご飯の時間。調べてみると、夜は屋台が有名なそうで、屋台通りに繰り出しました。

屋台風景

10店舗くらいのお店が連なり、客引きをしています。お店の前には、その日とれたお魚やエビが並びます。

観光客だけでなく、地元のお客さんもたくさん。お店の人と顔なじみな様子で、楽しくしゃべっています。

どこも似たような雰囲気だったので、適当に入り、注文。

シーフードスープ

カジキマグロのガーリックソース

私はあまりお腹が空いていなかったので、シーフードスープのみ。夫は、カジキマグロのガーリックソース・ソテーを食べました。

お魚やエビは、焼きor蒸し、ガーリックソースorココナッツソースor(何か忘れた)ソースなど、調理方法が選べて、どれもご飯、サラダ、バナナチップが付きます。一皿$20以下と、お手頃でボリューム満点で、とてもおいしかったです。

シーフードスープは魚やエビや貝、あらゆる具材が入っており、少々複雑なお味でした!笑

-----

晩ご飯の後は、ゆっくりと海沿いをお散歩。

地元の子どもたちが広場に集まって、スケボーやバスケなどをして遊んでいました。

そして、街の船着き場でまたしても生きものを発見!!!

サメがライトアップされた水面に集まっています。

地面に寝そべるアシカ

船着き場に寝そべるアシカ

アシカがそこかしこにいました!!!

人目を気にせず寝ている姿はとてもとてもかわいかったです。サンタクルス島に来てまだ1日目なのに、この時点ですっかりアシカのとりこになりました。

もう十分ガラパゴスを満喫!今帰宅しても満足!という気分でした。

大満足の1日目、終了です。

-----

ガラパゴス諸島では、野生生物たちが厳重に保護されています。そのため、彼らは人間に脅かされることがほとんどなくなり、人間のことを基本的には避けなくなりました。これは人間と動物が共生できている証で、喜ばしいことですが、観光客の中には動物たちに近づきすぎている人もいたのが非常に残念で悲しかったです。

しっかりとルールを守り、1~2メートル以上距離をあけて観察や撮影をさせてもらう。そうすることで、野生生物たちが快適にすごすことができます。

 

(つづく)