さて、クルーズ1日目の夜は、すさまじい睡眠環境でした。
比較的揺れにくいとされる双胴船にもかかわらず、波に合わせて大振りの揺れが止まりません。バルコニーの椅子なのか、どこかの積み荷なのか、何かが揺れに合わせて壁に当たり、規則的に大きな音を立てて、夜中に何度か目を覚ましました。
1日目のバルトロメ島から、2日目のヘノベサ島までの海域はいつも波が高いそうです。加えて、7月は比較的風も強いシーズン。ここまで揺れるとは思いませんでしたが、それも旅の思い出。
よく寝たような寝れなかったような一晩をすごし、目が覚めると、ヘノベサ島に着いていました。
上陸し、さわやかな早朝の散歩へ。サンタクルス島では、ガルアの季節らしい曇天が続きましたが、クルーズ船に乗ってからは良いお天気です。
バード・アイランドと呼ばれるヘノベサ島には、鳥類がいっぱいです。
ビーチにはアカメカモメとフィンチがお出迎え。アカメカモメは、目の周りを縁取る赤と足の赤がそろっていておしゃれです。
同じオーシャン・スプレー号の乗客たちと、2時間ほど鳥の楽園の散策です。
ナチュラル・ガイドのダニエルさんは、次々に姿を現す鳥たちの説明を丁寧に行ってくれました。
ヘノベサ島はマングローブでいっぱいで、鳥たちが巣を作ったり暑さから身を守ったりできる絶好の場所なのだそうです。そして、海には餌となる魚がたくさん。島には川や湖が無く、基本的に鳥たちは餌となる魚や海水から水分を接種しているそうです。(アシカも同じく、魚や海水から水分を接種。もしかしたら、雨が降った時には雨水を飲むのかもしれませんが、雨が降らないシーズンでも生きていけるなんて、不思議な話です。)
1日目には、バルトロメ島で、足の青いアオアシカツオドリを観察できましたが、ヘノベサ島には、別の2種類のカツオドリが棲んでいました。
アカアシカツオドリは、褐色または白色の身体に、水色の嘴、そして鮮やかな赤色の足をしています。
アオアシカツオドリは顔も足も青色で揃っていますが、アカアシカツオドリの色合いは一風変わっています。
ナスカカツオドリは、白色の身体、黄色い嘴、黒い足。3種のカツオドリの中では、一番普通の鳥らしい色合いかな。写真はつがいだそうで、2羽一緒に過ごしていました。
大人になると黒く大きく、闇の使いのような見た目になるグンカンドリは、子どもの頃はフワフワでとてもかわいい。大人のグンカンドリの繁殖期には、オスが喉の赤い袋を膨らませる姿が見られます。
巣からむきだしになっているヒナが、あちこちにいました。綿毛みたい。
黒いつぶらな瞳で、じっと見つめられましたが、怖がる様子はありません。何を考えているのかなぁ。
ササゴイは古代を思わせるような姿かたち。岩場の隙間を器用に移動していました。
鳥たちの暮らしを眺めながら、散歩道は岩場へ続きます。満潮時は海水で浸る、海にほど近いところなので、岩の抉れた部分には、海水が溜まっていました。
上の写真のように、透き通った水の中に、無数の魚たちが見えました。水中カメラではなく、普通に水上から撮っているのに、はっきりくっきりと魚が見えます。あまりの透明度に驚きました。
魚の水辺の近くには、アシカの子どもが休んでいました。子どもだからか?皮がダルダル。食べ物には困らなさそう。
散歩の終わりにビーチに戻ってきて、アシカたちの戯れを眺めました。
大満足の早朝散歩は終了。お次は、シュノーケルです!!
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クルーズ1日目もバルトロメ島でシュノーケルをしましたが、2日目のヘノベサ島のDarwin Bayでも、シュノーケル。午前中からヘビーなプランになっています。
しかも、Darwin Bayには、頭部がハンマーのような平たい形をしたシュモクザメ(Hammer Head Shark)が見られるのだとか!!!
ダイビングの方がシュモクザメとの遭遇確率が高いようですが、シュノーケルでも見られると聞き、うれしいような少し怖いような気持ちで海へ入ります。
パンガ(小型ボート)から海へ。1日目と比べ、水が冷たく、底が深く、波がとてつもなく高い!!!
あまりに荒波なので、子どもたちや、大人でも何名かはすぐにパンガの上に避難していました。波で身体が勝手に回転するくらい荒かい!!!
私もシュノーケル初心者でしたが、持ち前の泳力?と、自分は魚やアシカなのだというイメージを持つことで、なんとかついていくことができました。
養分が豊富なのか、1日目と違って全然透明感の無い海で、眼前も眼下も曇ってよく見えません。そのうえ、気づけばとても小さなクラゲっぽい生きものがそこかしこにいて、シュノーケルマスクで隠れていない口回りがチクチクしてきました。しかし、波が高くて激しいので、避けることもままならない!
訳も分からないまま、皆の後ろを無心で泳ぎ続けていると、ナチュラル・ガイドのダニエル氏が「シュモクザメがいるぞーーー!!!」と合図を出してくれました。
しかし、視界が悪くて、どこにいるかよくわからない!
なんだこの過酷な訓練!?と混乱しつつも、周囲を観察し続けていると…
いました!!!!!
※画像は、Happy Gringoさんの画像です。
写真のような大群ではなく、1~2匹がスルーっと通り過ぎていく姿でしたが、確かに肉眼で、しかも結構近くで、シュモクザメを見ることができました。
体長は私よりも大きかったと思われます。
感動と言うよりも、険しい海の中を泳いで、なんとか一目でも見れて良かった…というホッとした気持ちでした。やっと帰れる~という。笑
波が高く、海からパンガに上がるのすら一苦労でした。パンガの手すりを力強くつかんでいないと、波の衝撃で手が離れてしまうくらい。
夫はこれまで船酔いや車酔いにほとんどなったことがない頑健な人なのですが、珍しく、パンガに上がってからひどい船酔い(波酔い)に遭っていました。
なんだかシュモクザメの感想と言うよりも、海が険しかったという感想に終始してしまいましたが、すごくすごく険しかった。笑
溺れなくて本当に良かったです…!
そして、クルーズ船に上がった後の温かいバスタオルと温かく甘いココアに、蘇ったような心地でした。スタッフの皆さんに感謝。
ランチには、エクアドル名物料理のセビーチェ(画像左)。
プエルト・アヨラの町で食べたものよりも、美味しかったです。エビ、タコ、白身魚などの海鮮がたっぷり使われて、ハーブやトマト、レモン汁、ミルクなどで和えてあります。
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お昼の後は、ヘノベサ島のPhilip Stepsという岩場伝いに、海の上でカヤックをしました。
青空を鳥たちが飛び交い、岩場にはアシカが見られ、最高のカヤック日和!シュノーケルをしたDarwin Bayと異なり、Philip Stepsは波も比較的穏やかで、カヤックから落ちる危険はありませんでした。
地の果てまで来たような、非日常を感じるカヤック散歩となりました。
その後は再びヘノベサ島に上陸し、再び鳥たちの観察会。
今度はフクロウもいました!
大空を舞う鳥の大群。グンカンドリやカツオドリ、フィンチ、教えてもらったけれど名前を忘れた鳥たち。何百何千羽もいます。
そして、大型の鳥が小型の鳥を捕食している姿も見ました。フクロウも、猟には失敗していましたが、小型の鳥に飛びかかろうとしていました。
生きものが生きものを食べて生きている、という、至極当たり前のことですが、容赦ない自然界の様子を目の当たりにし、どう感じたのか。適切な言葉が見つかりませんでしたが、目の前の光景に圧倒されていました。
(つづく)