ガラパゴス諸島旅行記⑨ ~クルーズ4日目:セイモウル・ノルテ島、サンタクルス島~

ガラパゴス諸島旅行記です。

クルーズ旅も4日目ともなると慣れたもので、船酔いもしなくなりました。

午前中は、セイモウル・ノルテ島へ上陸!空港のあるバルトラ島の近くの小さな島で、バード・アイランドのヘノベサ島のように、こちらにもグンカンドリやカツオドリなど、多くの鳥類が営巣しています。

 

セイモウル・ノルテ島では、一年中グンカンドリの求愛行動を見ることができます。(他の島では、時期によるようです。)この日も、オスのグンカンドリが真っ赤な喉を膨らませて、翼を広げたポーズをとっていました。

喉袋を木の枝などにひっかけて破裂させてしまわないか、心配になります。意外に皮が分厚いのかなぁ。

成鳥のかっこいい姿と違い、グンカンドリのヒナは真っ白のふわふわで、とてもかわいいです。腕が身体の下の方についています。

島はこのようにグンカンドリの巣でいっぱいで、至るところに白いヒナがボーっと突っ立っていました。笑

それにしても、周りに高い木もなく、むき出しの簡素な巣なので、雨が降った時に大丈夫なのか、日差しが強すぎないのか、気になります。一生懸命生きています。

 

海沿いに行くと、今度はアオアシカツオドリの群落へ。親子仲良く暮らしている様子を観察させてもらいました。写真のヒナは、毛皮こそまだフワフワなものの、親鳥とほぼ同じ大きさ。人間で言うと、高校生くらいなのかな。

少しわかりづらいですが、こちらが彼らの生息地。緑もあり、海も近く、とても気持ち良いところです。

鳥の家族たちの仲睦まじい雰囲気を感じながらも、実は、厳しい自然界の一面にも触れることがありました。元気なアオアシカツオドリの親子のすぐ隣で、息絶えたヒナが羽毛の塊のまま残っていたり、砂浜にはアシカの遺骸が転がっていたり。病気やケガだけでなく、気候変動の影響や海洋ごみなど、生きものを脅かす要因はさまざまです。少しでも多くの子たちが生き残れるよう、願うばかりです。

 

 

午後は、サンタクルス島へ。クルーズに乗る前に、数日間滞在した島へ戻ってきました。私たちが個人で滞在していたときにはまだ訪れていなかった、ハイランドと呼ばれる島内の高地へ。

ハイランドには、「エルチャト」というガラパゴスゾウガメ保護区があります。野生のゾウガメを見たいならここがマストです。

 

港からバスに乗り、ハイランドへ。エルチャト保護区のすぐそばには、小さな村があり、ガイドのダニエルが故郷だと言っていました。村の住民は農家が多いのか、そこかしこに牛がいます。

そして、牛に紛れて、草地の中にゾウガメもそこかしこに見えました!岩と見間違えます。牛と共存しているのがおもしろい光景です。(バスの中だったので、写真撮れず)

 

エルチャト保護区に到着し、長靴をみんなで借りました。ぬかるみが多いのとカメの糞などもあるので、靴がかなり汚れるそう。

準備を整えて、いざゾウガメの観察へ!

さっそく発見!!!!!!とてつもなく、デカい!!!!!!

探さなくとも、すぐそこらへんを何頭ものゾウガメが歩いたり食べたり、きままに過ごしています。ゾウガメの楽園にお邪魔したような非現実感に、大興奮。夢に見た光景が、現実になりました。

 

ここにいるのは野生のゾウガメですが、基本的には、もともとダーウィン研究所である程度まで大きく育てられた後に、野生環境に放たれた子たちだそうです。保護区は広いですが、網で囲ってあり、ゾウガメが域外に逃げ出さないようにしています。ただ、網の下に穴を掘って脱出してしまうカメも多いらしく、域外では車にはねられたり、密猟の被害に遭ったりといった深刻な問題も依然として多いのだとか。動物園や保護施設とは違い、広い草地でのびのびとすごせるのは野生環境ならではですが、その分、個体の管理はとても難しいですね。

保護区内は緑でいっぱい。ゾウガメたちが大量に必要とする食物も豊富です。

写真は野生のグアバ。ゆっくりで不器用に見えますが、何度もかぶりついていました。

グアバの他にも、野生のトマトや柑橘類などの果実、草やサボテンなどを食べるようです。

太古を知る賢者のような顔

ぬかるみ浴

エルチャト保護区ツアーは、2時間ほどの長い時間、ゆったりとゾウガメを眺めながら散歩をしました。道中、沼や洞窟を抜け、探検家の気分を味わえました。

洞窟の中にフクロウが!

 

念願の野生ゾウガメに出会えて、大満足の一日でした。観察させてくれたゾウガメたちと、彼らを育む環境、そしてその環境を維持管理してくれている現地の方々に、感謝です。

 

この日でとうとうクルーズも最後の夜。翌朝は希望者のみ早朝のアクティビティに参加ということで、もちろん全員希望します!と挙手しました。

クルーズ船の従業員の皆さんと、ガイドさんと、乗客たちで、最後の夜を祝いました。