ガラパゴス諸島旅行記③ ~サンタクルス島1日目~

ガラパゴス諸島旅行記です。

 

空港のあるバルトラ島から、ガラパゴスの玄関的な島であるサンタクルス島までの移動は、小さな船でした。

シャトルバスに積んだスーツケースを、どんどん小船の屋根に乗せて行ってもらいました。

投げ積まれていく荷物、大丈夫かなぁ?と少々心配しつつも、目の前の海に気分上々です。

青緑色の水面

海の底は見えません。結構深いのだと思われます。

そして、夫が「カニだ!」と声を上げるので、見てみると、船着き場のコンクリート壁面に黒い小さなカニを発見しました。今のところ、リクイグアナとカニを発見!幸先の良いスタートです。

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10分程度船に揺られ、いよいよガラパゴス諸島の玄関、サンタクルス島に到着!

サンタクルス島の船着き場から、案内人の青シャツの彼の運転により、島一番の市街地であるプエルトアヨラに向かいます。なんと40分間。島に到着してからも、結構な長旅です。

現地の方と思われる女性も一人同乗し、途中で降りていかれました。

当然なのですが、皆スペイン語なので話の内容がわかりません。しかし、笑顔がすてきで朗らかそうな方ばかりでした。

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船着き場~プエルトアヨラまでの道のりの景色は、真っ直ぐの一本道と、その周りの草木、森、時々民家。

褐色で平坦なバルトラ島と異なり、サンタクルス島は緑が生い茂っています。空は、ガラパゴス諸島の冬にあたる「ガルア(涼しく乾燥した季節)」の特徴らしく、低い雲に覆われています。

ハイランドの斜面には畜産業用の牛がたくさんいる場所も。「このへんに、ガラパゴスゾウガメがいるんだよ」と案内人さんに教えてもらいましたが、ゾウガメではなく牛がたくさん。

しかし、緑豊かな丘には、本当にゾウガメが潜んでいそうな雰囲気です。

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そして、目を凝らしていること数十分。

いた!!!!!!!!

ガラパゴスゾウガメが!!!!!!!!

別日に保護区にて撮影したゾウガメの写真。

車に乗っていたので写真が撮れなかったのですが、プエルトアヨラにほど近い場所で、道路のすぐわきに、3匹もゾウガメを見つけました!!!!!!

一生に一度は見たかった、野生のゾウガメ――。

突然願いが叶い、大興奮です。

案内人さんも「Tortuga!」(スペイン語でカメ!)と言って、車のスピードを緩めてくれました。

50~60㎝程度の比較的小柄な、若いゾウガメでしたが、初めての野生のゾウガメに対し、感動がすさまじい。大声を上げて喜びました。

 

後から知ったのですが、保護区の柵から抜け出してしまったゾウガメが、道路や市街地まで来てしまうことも珍しくないそうです。保護区の外に出ると、車にひかれたり、密猟者に捕まったり、という危険にさらされてしまうそうです。

現地のレンジャーが一生懸命密猟者を捕まえています。犯罪からゾウガメを守る――本当に、勇気ある素晴らしい取組です。

どうかこんな問題が一つもなくなりますように。無力ですが、願うことしかできません。

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午後になり、プエルトアヨラに到着しました!早朝に出発して、やっとです。(やっと、ばかり言っています。)

プエルトアヨラはガラパゴス最大の街で、宿泊施設やレストラン、お土産屋さんがたくさんあります。

ガラパゴス諸島の巡り方は、基本的に、「クルーズ船で島々を巡る」または「プエルトアヨラ等の都市に泊まりつつ、別の島への日帰り旅を組み込む」のどちらかのスタイルになります。

私たちは、様々な島を巡りたいという気持ちが一番でしたが、お土産屋さんや魚市場もゆっくり見たいという気持ちも同じくらいあり、旅行会社にお願いして二つのスタイルを組み合わせてもらいました。前半の3泊はプエルトアヨラのホテル、後半の4泊はクルーズ船の中という構成になりました。

結果的に、この構成にしてとても良かったと思っています。

 

早速ホテルにチェックインし、一息つきます。

ホテル外観。こちらに3泊しました。

旅行会社が予約してくれた、Ikalaというホテルに到着。

プエルトアヨラ中心街にあります。立地が良く、きれいで、ホテルのフロントさんもとても親切でした。私たちは利用しませんでしたが、無料で自転車も貸し出してくれます。

ホテルの部屋。

小さいアリが室内にいますが、それくらいはご愛敬ということで。

失礼かもしれませんが、想像していたよりもすごく豪華で快適です。

 

このままホテルで休みたい気もしましたが、せっかくなので、間髪入れずに街へ繰り出すことに。

プエルトアヨラの中心街

コロナで観光客はまだ70-80%まで回復したくらい、ということでした。それにしても、一般的な観光地と比べてかなり人は少なく、素朴な街並みです。

マイアミやロサンゼルスのような海辺の観光地とは全く違う、素朴で人通りも少ない街で、ゆったりと時が流れているようでした。

 

お腹がペコペコだったので、まずは遅めのお昼ご飯に向かいます。

食べることは好きですが、今回の旅ではなぜか下調べをしてこず、ガラパゴスのグルメで何が有名なのか知らないまま、適当に海辺の雰囲気が良さそうなレストランに入りました。

そこで発見したのが、お料理の前にウミイグアナ!!!!!

ウミイグアナ

オーシャンビューの席から階段を下りた先が、海と接する岩場になっており、そこにウミイグアナがいました!岩と同化している!

ガラパゴスベニイワガニ

そしてさらに、ガラパゴスベニイワガニ!!!!!

ゆでられていないのに、鮮やかな赤色をしたカニ。岩場に群れになってたくさんいました。もうお料理どころではありません。

 

ガラパゴスにて最初の一皿。

夫の一皿。

シナモンアイスティー。甘くてあまり飲めなかった!

私は、エビの練りものの揚げものが乗ったクリームパスタ。

夫は、シーフードライスというガラパゴス名物料理。エビ、イカ、貝、タコ、野菜等とお米が、魚介の出汁で煮焼きされています。チャーハンとリゾットの中間のような感じ。

どちらもとーっても美味しく、感激でした。今回の旅は、生きものばかりに注目していて、あまり食事には期待していなかったために、良い意味でおどろきでした。

「もしかして、ガラパゴス諸島は食べ物もおいしいのかも!?」と盛り上がりました。

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さて、美味しいお料理を楽しんだ後は、楽しみにしていた魚市場です。

プエルトアヨラの街の中心に、魚市場があるのですが、なんとここには人のお客さんだけでなく、野生動物のお客さんも集まると噂なのです。

「だーれもいなかったらどうしよう?」という不安を抱えながら、魚市場へ。

そこには――。

魚市場に集まるお客さん方

ブラウンペリカンがたくさん!!

魚の切れ端を虎視眈々と狙っています。人より野生動物の方が多い市場。こんなところは他にあるのでしょうか。

足元にガラパゴスアシカ

上手く撮れていませんが、なんとガラパゴスアシカも!!!!!!!こちらも野生です。あまりの近さにびっくり。

魚を手際よく裁く女性の足元にぴったりくっついています。すごく作業がしづらそうでした笑

この日は、主にマグロを裁いているようで、剥いだマグロの皮はアシカに、小さな切れ端はペリカンに、おこぼれが行きわたっていました。

アシカもペリカンも、自分で漁をすると、マグロなんてなかなか食べられないだろうからなぁ~。

魚市場の方々にとっても、残飯処理をしてもらえて良いのかもしれません。笑

魚を狙う動物たちのこの光景があまりにも楽しく、いつまでも見ていられました。

イワカモメも集まっていました。こちらもガラパゴスの固有種。

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魚市場の後は、たくさんのお土産屋さんを巡り、早速Tシャツやトートバッグなどをゲット。小さなお土産屋さんがメインストリートに並んでいて、かわいい小物がたくさん売っていました。

 

そうこうしているうちに晩ご飯の時間。調べてみると、夜は屋台が有名なそうで、屋台通りに繰り出しました。

屋台風景

10店舗くらいのお店が連なり、客引きをしています。お店の前には、その日とれたお魚やエビが並びます。

観光客だけでなく、地元のお客さんもたくさん。お店の人と顔なじみな様子で、楽しくしゃべっています。

どこも似たような雰囲気だったので、適当に入り、注文。

シーフードスープ

カジキマグロのガーリックソース

私はあまりお腹が空いていなかったので、シーフードスープのみ。夫は、カジキマグロのガーリックソース・ソテーを食べました。

お魚やエビは、焼きor蒸し、ガーリックソースorココナッツソースor(何か忘れた)ソースなど、調理方法が選べて、どれもご飯、サラダ、バナナチップが付きます。一皿$20以下と、お手頃でボリューム満点で、とてもおいしかったです。

シーフードスープは魚やエビや貝、あらゆる具材が入っており、少々複雑なお味でした!笑

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晩ご飯の後は、ゆっくりと海沿いをお散歩。

地元の子どもたちが広場に集まって、スケボーやバスケなどをして遊んでいました。

そして、街の船着き場でまたしても生きものを発見!!!

サメがライトアップされた水面に集まっています。

地面に寝そべるアシカ

船着き場に寝そべるアシカ

アシカがそこかしこにいました!!!

人目を気にせず寝ている姿はとてもとてもかわいかったです。サンタクルス島に来てまだ1日目なのに、この時点ですっかりアシカのとりこになりました。

もう十分ガラパゴスを満喫!今帰宅しても満足!という気分でした。

大満足の1日目、終了です。

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ガラパゴス諸島では、野生生物たちが厳重に保護されています。そのため、彼らは人間に脅かされることがほとんどなくなり、人間のことを基本的には避けなくなりました。これは人間と動物が共生できている証で、喜ばしいことですが、観光客の中には動物たちに近づきすぎている人もいたのが非常に残念で悲しかったです。

しっかりとルールを守り、1~2メートル以上距離をあけて観察や撮影をさせてもらう。そうすることで、野生生物たちが快適にすごすことができます。

 

(つづく)